毒姫とわたし

第1話 女友達は一日にして成らず。……じゃあ、何年たてば成るの?

　小麦は出版社に勤める編集者。クリスマスイブに恋人から振られ、障がい者用トイレでむせび泣いていた。ノックの音にドアを開けると、車いすに乗った見ず知らずの女性から毒舌を浴びせられ、呆然とする・・・。その後小麦は充実した日々を送っていたが、事態は一転。親友の結婚宣言、さらに会社は倒産の危機に。そんな彼女の前に思わぬ女性が・・・。

第2話 顔がブス?足がブス?いいえ、心がブスなんです

　小麦が出版の依頼に行った美姫は、車いすに乗ったキャバクラ嬢だった。美姫から作品の感想を聞かれると、欠点をズバズバと指摘する。美姫にとって、小麦の指摘は図星で腹立たしかった。美姫は怒りを抑えながら、作品を一言一句変えないことを出版の条件として突き付ける。

第3話 『女友達』の読み方は……『しんゆう』それとも『うらぎりもの』?

　美姫と組んで小説を出すことになった小麦。小麦が帰った自宅マンションは、部屋が知らないうちに改装されていた。勝手に住み着くことを決めた美姫の仕業だった。次第に二人の心は近づいていき・・・.。そんな中、君嶋出版では、社長の君嶋が美姫を小麦のもとから引き抜こうと動き始める。

第4話 孤独な人間が一番強い。――だったら、強くなんてなりたくない!

　佐伯に彼からもらったあひるのぬいぐるみに気づかれた小麦。佐伯は小麦に美姫から手を引くように頼む。まだ自分のことを想っていると誤解している佐伯が小麦の手を握るが、その様子を見ていた紗江子は嫉妬に駆られ、その夜小麦のマンションに乗り込んでくる。

第5話 恋と戦争は無法地帯。どんな悪事も許される?

　美姫は突如恋愛すると言いだす。相手は小麦の後輩・哲也だった。美姫は取材と称して哲也をデートに誘う。 仲良さげな美姫と哲也。その様子を見て小麦の心がざわめく・・・.。その頃、君嶋出版の社長室では、紗江子が小麦の部屋から持ち出した美姫の原稿のコピーを君嶋に渡していた。

第6話 恋を忘れた女VS恋に目覚めた女

　哲也から好きだと突然告白され、驚きのあまり言葉も出ない小麦。仕事が全く手に着かない小麦のもとに、衝撃の一報が。君嶋出版の賞に、社長・君嶋の息子で人気俳優の潤が作家として応募。しかも君嶋は、選考結果の発表日を、美姫のデビュー発表日にぶつけてきたのだった。

第7話 人の心にも字幕がつけばいいのに……

　「恋愛を経験すること」を目標に、哲也に恋しようとしていた美姫。哲也を本気で好きになってしまう。そんな中、君嶋の策略に屈しまいと、美姫は自分の本を売るためにある大胆な作戦を立てる。背に腹はかえられないと、その戦略を受け入れた小麦。しかし取材記者から、それでも潤の話題性には及ばないと聞 き・・・。

第8話 恋愛とケンカはひとりでは出来ない。そして仲直りも

　哲也に付き合ってほしいと告白した美姫。しかし「小麦が好きだから」と、あえなく振られる。取り乱した美姫は小麦に本心を言えと迫る。小麦は哲也をどう思っているのか、と。小麦は「哲也のことをずっと前から好きだった」と告げる。美姫は小麦を思い切りビンタすると、そのまま出ていってしまう。

第9話 最悪、と思っているうちは最悪ではない

　戻ってきた美姫とともに小説を完成させた小麦。ところが、美姫の作品が君嶋の出版社が主催する文芸賞で大賞に決まった、と発表されてしまう。そんな中、過労で小麦は倒れてしまう。一方、美姫は悔しさを抑えながら、君嶋出版と契約。小麦の胸には美姫のとの日々が走馬灯のように駆け巡り・・・。

第10話 愚か者。失わなければ気付けないのか?

　勤める会社が君嶋の出版社に吸収合併されることが決まった小麦。ところが、君嶋から突然解雇を言い渡され・・・。何社も就職面接を受けるが、採用の連絡はこない。その裏には業界の大物・君嶋の姿が見え隠れしていた。一方、小麦の家から出て行った美姫は潤やエリカたちと君嶋家で暮らし始めて・・・。

第11話 人に賞味期限なんてない。でも女にはあるの?

　再就職先が見つからず、途方に暮れる小麦が哲也からプロポーズされる。デビュー作が50万部を超える大ヒットとなった美姫からは、「このまま仕事を辞めて逃げるんか!」と問い詰められる。しかし小麦にとって美姫との仕事が結婚の後押しをする。小麦と一緒に仕事がしたい美姫は・・・。

第12話 人生は天秤にかけなくてはならないことが多すぎる。殊に女は

　哲也と結婚し、専業主婦になると決めた小麦。しかし、美姫の第二作目の発表会見の場で「小麦が編集を担当する」と美姫から一方的に宣言され、小麦は復帰して再び担当になることに。これに激怒したのが哲也の母で国会議員の佳子。小麦は仕事か哲也かどちらかを選ぶよう迫られる。

第13話 人は見た目で90%が決まる。真実は見た目では10%も分からないのに

　小麦は哲也の母・佳子に、結婚しても仕事は辞めないと宣言。一方、君嶋の娘で美姫の親友・エリカは哲也の弟・友樹と知り合い、交通事故で車いす生活となって以来初めて明るさを取り戻す。哲也は佳子に友樹と再会したことを報告。友樹の居場所を聞いた佳子は顔色が変わり・・・。

第14話 本気の恋は傷付く。大切な友とはぶつかる。だから人生は輝く。

　哲也の弟・友樹こそ、エリカが車いす生活を余儀なくされるに至った事故の相手だった。事実を知った美姫は、親友・エリカの足を奪った人の兄である哲也とはもう会えないし、その妻となる小麦とも会わないと宣言する。しかし美姫と仕事がしたい小麦は、彼女の勝手な言い分に業を煮やし・・・。

第15話 親の思い、子は知らず。男の思い、女は知らず……でも知りたい!

　見知らぬ女・春江が美姫の前に現れる。美姫を捨てたのは自分だ、と。突然現れた母親に最初こそ悪態をついていた美姫だが、気が付くと春江にしがみつき、泣きじゃくっていた。一方、小麦の耳に、哲也が若い女性と2人でいたという話が。そんな彼女が仕事中に目にしたのは・・・。