TRUST/トラスト ゲティ家のスキャンダル

第1話 ゲティ家の内情

巨万の富を築いたポール・ゲティは、麻薬に溺れたり別の道を選んだりしている息子たちに失望していた。そんな時に孫のポールが現れる。彼は孫に興味を示し、実業家として育てようと考えて仕事を与えようとする。だが孫は問題を抱えていて別の思惑があった。一方、ポールの父親であり、ポール・ゲティの息子であるポール・ゲティ2世は、自分ではなく息子にチャンスを与えられたことに腹を立て、息子の秘密を暴露する。

第2話 聞き込み捜査

ポール・ゲティは孫を誘拐されたと聞き、真相を確かめるためにフレッチャー・チェイスをローマに送る。チェイスは3世の交友関係を当たるなどの聞き込み捜査をして、ある結論にたどり着く。母親のゲイルは、元夫と現夫が深刻に受け止めようとしない中、息子の安否が分からない状況に激しく動揺する。彼女は新たな情報を得て、自分の考えが正しいと確信した。さらに母親として責任を感じ、息子のために生活を改めようと決意する。

第3話 甘い計画

ジョン・ポール・ゲティ3世はローマで気ままな生活を楽しんでいたが、仲間が自分の名前を利用して、表向きはレストランを経営しているベルトリーニから6000ドルの借金をしていたことを知る。イングランドにいる父親と祖父を頼ろうとするが追い払われ、切羽詰まった彼はベルトリーニに自身の誘拐事件を偽装して身代金を要求しようと提案する。だが簡単に成功すると思えた計画は、ポールの思惑とは違う方向に動き出していた。

第4話 誘拐ビジネス

ポール・ゲティ3世を手に入れたプリモは、叔父や弁護士のいとこを仲間に引き入れる。大富豪のポール・ゲティは誘拐を孫の偽装だと疑って放置していたが、証拠を見せられて、ようやく身代金の交渉に動き出す。だが、あくまで交渉もビジネスとしか考えていない様子に、愛人のペネロペや3世の母親ゲイルは不満と不安を募らせる。プリモは身代金で大金持ちになれると上機嫌だったが、それに対してポール・ゲティが提示した額は…。

第5話 淡い希望

ポールは自分を助けてくれたアンジェロと共に、州内の住民も巻き込んだプリモたちの執拗な追跡から必死で逃れようとする。2人は助け合いながら友情を深め、逃げ切った後の生活に思いをはせていた。途中で追い詰められた2人はトラックに忍び込むが、車の持ち主のルイジと、その妻から温かく迎えられる。一方、母親のゲイルは犯人からの連絡が途絶えたことで、ポール・ゲティ1世とチェイスに交渉を任せたことを悔やんでいた。

第6話 駆け引き

ポールが死んだと知らされたサットンプレイスの住人は若い彼の死を悼む。遺体を確認したゲイルはショックで気を失うが、次第にポールではないと確信する。ジョン・ポール2世は長年やめていた薬物に再び手を出し、自分の息子を死に追いやった父親のやり方を激しく非難するが、実は死んでいなかったと聞かされバツの悪い思いをする。ポール・ゲティ1世はマフィアと身代金の交渉をするために自らローマへと向かった。

第7話 幸せの崩壊

ジョン・ポール2世は、妻のゲイル、息子のポールと共に貧しいながらも幸せに暮らしていた。そんな生活も、父親から新しく仕事を任されたことで一変する。最初に人員整理をさせられてストレスが溜まり、新しい提案をしても反対されるので次第に精神が荒んでいく。ゲイルとの関係も悪化し、夫婦はそれぞれに恋人を作る。幼いポールは、そんな両親を見て悲しむが、ポール2世の恋人タリサに対しては密かに恋心を抱いていたのだった。

第8話 マフィアの秘密

約束の日にゲティ側が現れなかったため、プリモはジョン・ポール3世を連れて帰る。報告を受けたレオナルドはサルバトーレや、大金が入ると期待している村人の反応を恐れ、順調なフリをしようとプリモに提案する。レオナルド夫妻は、大切な息子フランチェスコの成人の儀式を祝うため、問題を忘れて楽しもうと決めるが、結局サルバトーレにバレてしまう。彼は身代金が支払われてないと知って激怒し、ポールを殺しに山へ向かった。(本作には一部過激と思われる表現が含まれていますが、原作者、製作者の意図を勘案したオリジナルのままです。ご了承ください。)

第9話 純白の舞台

ゲイルは我が子を助けるために元義父と元夫を説得しようとするが、2人とも自分本位な考えで身代金の支払いを拒否する。彼女は最後の手段として、アメリカのニクソン大統領に手紙を書いて助けを求める。プリモは受け渡しの条件として、紙幣を入れるスーツケースから服装まで全部を白で統一しろと指示を出す。ゲイルとチェイスは言われた通りに白い車で指定された場所に向かい、雪の中で犯人からの連絡を待つのだが…。

第10話 皮肉な結末

ポール・ゲティ3世は栄養失調状態から順調に回復していた。父親と祖父は相変わらず彼を避けている。誘拐事件を息子が計画したと知ったゲイルはショックを受けるが、彼とマルティーナの結婚式に現れて和解した。彼の誘拐事件をきっかけにゲティ家の人々に変化が訪れるが、ゲティ1世はそれに気づかず美術館作りに夢中になる。犯人側にも変化があり、プリモは身代金で事業を始めるべくレオナルドと息子のフランチェスコを誘う。