I”s Pure

＜1＞ au commencement(始まり)

クリスマスイブの夜。 瀬戸一貴は、親友の寺谷とイルミネーションに彩られた街を歩いていた。 今日は、葦月伊織と森崎と一緒にクリスマスパーティーだ。 一貴は伊織がまだ憧れの存在でしかなかった頃のことを懐かしく思い出していた。 高校2年の春、ただ演劇部で練習する伊織を見つめるだけだった日々のことを…。

＜2＞ souvenir(回想)

一貴の前に突如、下着姿で現れたのは四年振りの再会となる幼なじみのいつきだった。 しかし伊織への気持ちが高まる一貴は、いつきとの関係は「ただの幼なじみ」だと言い切ってしまう。 修学旅行で伊織と二人きりになった一貴は、勇気を出して告白を試みようとするがまさにその時、いつきのアパートで火事があり、いつきの姿が見当たらないという連絡が入る…

＜3＞ adieu(別れ)

泣きじゃくるいつきを抱きしめた一貴。 それ以来、揺れ動く自分の気持ちに困惑する。 写真部の企画でコンテストを開催することになり、伊織が学校の代表に選ばれたが、それは盗撮騒動で退学になった鮫島たちの罠だった。 廃ビルの中で、水着姿で怯える伊織の身に危機が迫る。 いつきとデート中だった一貴は、伊織の危険を知って廃ビルへ向かう。 そしていつきは重大な告白をすることを決意した・・・。

＜4＞ vertige(めまい)

寺谷に誘われて海辺での勉強合宿に参加した一貴は、岩場に一人佇んでいた少女、磯崎泉に出会う! その軽蔑のまなざしに愕然と落ち込むのだった。 二人の愛を守るという五十一石のおまじないを泉から聞かされた一貴は、泉の別れた彼氏の代理で石を積み上げることに。 そして最後の白い石を積み上げたのは…。

＜5＞ declaration d’amour(告白)

遂にやって来たクリスマスパーティー当日! 意を決して告白した一貴だが、酔っ払った伊織に真意は伝わらない…。 そして、2次会。寺谷の気遣いで、一貴と伊織はふたりっきりに。伊織から劇団に合格したことを聞かされて驚く一貴。 そんな中、伊織は事務所の要請で急遽オーディションを受けることに…! なかなか気持ちを伝えられない一貴の気持ちは焦るばかり。 あきらめムードで伊織と帰りの電車に乗り込むが、不意にその機会は訪れた…!

＜6＞ ensemble(一緒に)

高校を卒業して一貴は浪人生として、伊織はイサイプロに所属し演劇の道へと、それぞれの道を進む二人。 クリスマスの告白以来、付き合い始めた一貴と伊織だったが、伊織が出演したCMにより、人気に火が付き、忙しい日々を送るようになる。 なかなか合う時間ができず、すれ違いを続ける二人。 そんな噛み合わない二人の関係に付け入るかのように、伊織と別れるように一貴に迫るイサイプロの大人達、さらにネットではマリオネットキングと名乗る者により、伊織を襲うことをほのめかす書き込みがなされていた・・・。