丑刻二参ル
この夜を生き残れたら、もう、怖いものはない
タイトル紹介
〝責任逃ればかりの保険的人生〟で〝自分や世間への挑戦〟を忘れた大人たちに見てほしい。小野塚勇人の芝居で若い頃は、毎日ひしひしと感じていたはずの「死と生」「自我と性」みたいなジレンマを思い出せた。ー清水崇(映画監督)
見どころ
日本社会に存在しながら、ホラー映画のテーマとして扱われたことがない実在の呪い、「丑の刻参り」。これまで日本映画が「丑の刻参り」を封印して来た理由は―。 今も残る風習であり、誰にでも簡単に行える危険性があること。呪うものと呪われるものの間に距離がある分、その恐怖を描くのが難しいこと。 デビュー以来一貫して恐怖を志向して来た川松監督は、果たしてどのように挑んだのか? 「見ただけで追われる呪い」。ここに着目した監督は、上映時間の7割がチェイス・シーンという本作の構造を練り上げた。 主人公の日常が一気に浸食されていく様を、観客が呼吸を忘れるほどの緊張感で描き出していく。 ラスト、不条理な追撃と思われたものが、ケンジ、そして我々が目を背け続けた何かに繋がっている、とわかった時―。 その圧倒的なまでの展開!