国松さまのお通りだい

第1話 学園なんか怖くない

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暴れん坊すぎて静岡の中学を追い出された石田国松は、家族4人で東京に越してきた野原で弟のアー坊や近所の子どもたちと遊ぶ国松は、成りゆきからハリス学園剣道部の横地とケンカになる。仲裁に入ったのは、同学園の新聞部部長でオチャラこと朝井葉子。彼女から園長への推薦によって、国松はハリス学園の生徒となることに。改めて横地との対決に臨んだ国松は、類まれなる運動神経を発揮して勝利。早くも周囲の注目を集めた。

第2話 エースになったるぞ!

初登校の朝、国松は野球部の伊野たちに制裁を受けている部員メガネを救った。恩義を感じたメガネは、野球部主将の殿山を紹介。国松は、弁当食べ放題という条件で入部を快諾するが、さっそく投手をやりたがる始末。ところが球威は強烈ながらノーコンで使いものにならない。失意の彼を励ますオチャラとメガネ。すると、謎の男が現れて投球をコーチした。悪天候にも負けず練習を続ける国松の努力は実を結び、コントロールは上達した。

第3話 やったぜ小さな大選手

ハリス学園と三和田学院の野球試合。三和田は卑劣にも、殿山にわざと死球を当てる。代打に出た国松は見事三塁打を放つが、三和田のいわれのないクレームに怒り、試合は乱闘状態に。その場は園長が鎮め、投手を務めることになる国松。相手のバント戦法からピンチに陥るものの、再び園長の叱咤で調子をとり戻す。そして国松は、謎の男が園長だったと知る。敬遠策をとる三和田に対し、国松は強引に場外ホームランを決めるのだった。

第4話 スターはつらいよ

対三和田戦での活躍で、国松は学園のヒーローとなる。一方、レギュラーの座を奪われた伊野は、国松に憎しみを燃やしていた。級友・横地の弁当を隠した伊野は、その罪を国松に着せる。さらに部室のロッカーから国松のユニフォームまで盗み出した。だが、国松の問題集を自分のものと間違えて提出してしまったことからメガネに疑われ、一同の前ですべての悪事が露見することに。泣いておびえる伊野に対し、国松のとった態度は……。

第5話 がんばれチビ助

国松とアー坊は、オヤツを盗んだ野良の子犬(チビ)と出会う。意地悪な男の子の飼う大きな犬ジョンにも勇敢に立ち向かうその姿に、国松は共感。家で飼おうと思うが、あまりの悪戯ぶりに父ちゃんが許さない。やむなくこっそり餌をやる国松。が、チビは父ちゃんの屋台商売を手伝い、その愛らしさで多くの客を集めた。国松とチビは、再び現れたいじめっ子と再戦、ボロボロになりつつも勝利する。晴れてチビは、石田家の家族となった。

第6話 日本一のへんてこチーム

野原で遊ぶアー坊たちは、少年野球チーム・ゴリラーズに追い出される。国松が抗議するが、彼らは地主の杉野に同地を専用練習場とする許可を得ていた。国松の談判を受けた杉野は、ゴリラーズと国松の監督する野球チームとが試合をし、勝ったほうが優先的に野原を使えるという条件を出す。国松は町内の子どもやオチャラ、メガネを集めたチームを編成。即席チームが強豪ゴリラース'から得点できるはずはないが、試合は意外な方向に!?

第7話 サーカスの少女

下校中に近道をした国松は、墓参中の美少女に出会う。彼女は"山上空中サーカス"の花形スター・ちづるだった。だが彼女が所属するサーカスは町内にテントを張りつつも、経営難から団員が離散。興業が不可能になってしまう。サーカス芸人だった亡き両親を偲ぴ、あきらめきれないちづる。国松は彼女の力になるべく、団員に交渉。危険な空中ブランコによる勝負に臆さず挑む国松の姿は彼らの士気を呼び覚まし、興業は再開した。

第8話 大暴れ見習いキャプテン

野球部に馴染んだ国松。殿山は彼の器量を試すべく、3日間の見習いキャプテンを言い渡した。調子に乗って部員をシゴきまくる国松だが、次第に部員の心は彼から離れていく。そんななか、三和田学院ともめごとを起こす国松。ケジメとして、殿山が黙って相手からの仕返しを受けた。その忍耐に、国松は己の至らなさを知る。野球部に迷惑がかからないよう退部届を書いた彼は、殿山を痛めつけた三和田の連中を叩きのめすのだった。

第9話 たのも～っ!剣道部

国松は各運動部に自分を売り込む。横地が剣道部へ誘うが、国松は一蹴した。勧誘に失敗した横地は部上級生の制裁を受ける。その夜、怪しい一群が国松を闇討ちにした。彼はこれも剣道部の仕業と思い、翌日部に乗り込む。だが、国松が相手に残したはずの歯形は、部員の誰にもなかった。謝罪として剣道部の練習台になる国松。彼は主将・鬼塚の必殺の突きに失神するものの、わずかに急所をかわす。岩波先生は底知れぬ可能性を見た。

第10話 大番長登場

鬼塚の突きでダウンした国松は5日ぶりに登校。そこで彼は学園に巣くう番長グループの存在を知る。歯形の痕跡から闇討ちの1人が級友の伊野であり、彼がグループの一員と知った国松は、相手一味と対時する。そこにグループを仕切る大人顔負けの巨漢・大番長が登場。人気者の国松をねたんで闇討ちにした連中を、国松の好きにさせた。調子に乗った国松は大番長自身にも仕返しする。おチャラたちは、大番長からの報復を心配した。

第11話 決闘!富士見ヶ原

大番長を刺激した国松は、学園中から避けられる。皆、巻きぞえをくうのが恐いのだ。やがて手下を従えた大番長が国松に決闘を申し込んだ。時は今夜、場所は富士見ヶ原。大番長の実力を認めた国松は、入念に作戦を練って闘いに赴く。強風のなかで両者の決闘は開始。事態を案じたオチャラとメガネが医者のポンコツ先生とともに現場に向かう。明け方まで続いた激戦は、国松の勝利に終わる。だが、大番長の表情もまた爽やかだった。

第12話 も～れつ新入部員

大番長と国松の決闘が職員会議で問題になった。退学寸前の国松を、岩波先生は自分の剣道部に入れて面倒をみると申し出る。その心に打たれた国松は入部するが、他の部員は反発。国松は新入部員の修業として稽古抜きの雑用を命じられる。くさりかける国松だが、横地の友情に支えられぐっとこらえた。翌朝、早起きしてすべての雑用を済ませ、先輩たちを相手に剣道の稽古を行う国松。鬼塚や岩波、オチャラはそのパワーに感嘆した。

第13話 町一番のいじめっ子

近所の女の子メメちゃんが、国松に剣道を習いに来た。聞けば隣町のいじめっ子・ヒロシをやっつけたいと言うのだ。メメちゃんたちだけでなく、国松にまで襲いかかるヒロシ。彼がひねくれてしまった原因は、ただ1人の家族である父が北海道に出稼ぎに行ったまま音信もない寂しさだった。事情を知った国松はヒロシの暮らすなめくじ長屋に乗り込み、その面倒を見る。次第に国松に心を開くヒロシ。そこに、懐かしい顔が現れた……。

第14話 合宿所は大さわぎ

千葉で剣道部の合宿が始まった。参加するのは精鋭の10人のみだが、補欠として国松も同行を許される。まともな稽古を願う国松だが、岩波先生と合宿所のおたね婆さんは彼に大量の雑用を命じる。ふてくされる国松。岩波先生はおたねに、国松をスキのない男にきたえてほしいと依頼した。おたねは武術の心得があったのだ。雑用をこなしながらも、徐々におたねの奇襲に応じていく国松。その成長は他の剣道部員も認めるところとなった。

第15話 男度胸の闇げいこ

合宿所にオチャラとメガネが現れた。その日は、剣道部恒例の"闇げいこ"があり、オチャラは取材に来たのだ。部員仲間が行く手を阻むなか,山奥の社に自分の名札を届ける闇げいこは厳しく、今まで鬼塚主将しか成功者はなかった。遅れて参加した国松は、剣道の技量と自在な頭脳プレーの連携で部員を退け、何とか杜に辿りつく。だがそこには鬼塚が待っていた。強敵に苦戦しながらも、スキを突いた国松は見事、闇げいこを突破した。