三つの月

三つの月

舞台はある地方の山あいの美しい町。いつもと変わらない山。変わらない川。変わらない緑。それは、美しいが退屈でもある。小坂繭(原田知世)は、妻であり母であり嫁である。夫・幸一(菅原大吉)の面倒を見て、息子の世話をして、長患いをする姑の看病をする日常に、息苦しい孤独と静かな絶望を抱えていた。 そんな中、東京から町にやって来た秋風蒼太(谷原章介)とひょんなことから知り合った繭は、彼に恋をした。それは道ならぬ恋。けれど2人の心は通じ合っている。そのことは2人だけの秘密だ。生きているか、死んでいるか分からなかった日々の中で、自分が息を吹き返す気がした。やがて、東京に帰る秋風に「会いに来てほしい」と誘われた繭が、岐阜に残るのか、家族を捨てて彼の元に走るのか、決断を迫られる。ときめきを取り戻した繭が選ぶ道は・・・。