千一夜話II

第1話 月光の猫

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酒に酔った夜道、前を通り過ぎていった黒いマントの女性を追ってユハンがたどり着いたのは、"猫の館"だった。 そこでユハンは期せずして、ミョジンという名の猫を1匹、譲り受けることになる。 翌日、家の中に猫の姿は見当たらない。だが、その代わりに1人の見知らぬ女が猫のように振る舞っていた。主人から精気をもらうと人間になれるという猫のミョジンは、ユハンのことを次第に愛するようになるが……。

第2話 ピンク・レディー

今や世の中は男女比不均衡の時代。男たちが結婚するためには「夫検定」の取得が不可欠だ。 ミンソンはギョンアと結婚するため、個人教師ミニの家で仮想夫婦として暮らしながら合格のための指導を受けていた。 日々、理想的な夫として成長を遂げていくミンソンに対し、恋愛感情を抑えられなくなっていくミニ。そんなある日、ミニはミンソンの婚約者、ギョンアに対する嫉妬心から交通事故を起こしてしまう。

第3話 悲しいマネキン

デザイナーのジュナはファッションショーを目前に控え、新しいマネキンを探していた。ある日偶然、道端の露店で魅力的なマネキンを見つけると、何かに憑かれたようにそのマネキンを買ってしまう。 自分がデザインしたワンピースを着せ、魅惑的なマネキンの姿に満足するジュナ。 キャンドルに火をつけ、彼女の体を照らすと、なんとマネキンの体に命が吹き込まれ、動き出すではないか。大胆で妖しい魅力を放つマネキンに、ジュナはすっかり夢中になっていく。

第4話 魔女 旅に出る

魔女になる運命のヨンインは魔女学校に通うため、恋人ドンハのもとを去る。 だがドンハはヨンインのことが忘れられず、毎晩のように酒を飲む日が続いていた。モデルのキヘはカメラマンであるドンハに好意を寄せるが、ヨンインを忘れられず苦しむドンハをただ見守ることしかできない。 ドンハを不憫に思うヨンインはついに、恋に落ちる魔法の薬を作って、ドンハとキヘをくっつけようとするのだが……。

第5話 O(オー)クリーム

平凡なサラリーマンのジンワンは、毎晩、妻を満足させるため奮闘するが、妻の反応は以前と違って冷淡だった。

第6話 夢見るタイプライター

ヨンファは天才小説家だが、傲慢で利己的で神経質なところがあった。 新しい作品のため、ヨンファが山荘にこもって執筆活動をしていると、神秘的な雰囲気のソウォンという秘書が訪ねてきた。 ソウォンは、ヨンファが書いた作品はすべて暗誦できるほどヨンファのファンだった。ヨンファの手となり足となって彼を支えるソウォンは、執筆に行き詰まるヨンファのために、自分の分身だというタイプライターを使ってみるよう勧める。

第7話 夢の対話

ダンサーになるのが夢のジョンインは、浮浪者のような暮らしを送っていた。 人々が彼の踊りを見て、「殴りたくなる踊りだ」とけなしても、ジョンインは夢をあきらめず情熱にあふれていた。 ある夜、歩道橋の上で1人の浮浪者と出会い、一緒に酒を飲んでいるうちに、その男の家に行くことになる。酒を飲みすぎて吐き気を催したジョンインが部屋の小さな扉を開けると、そこにはジョンインの未来の世界が繰り広げられていた。

第8話 催眠術師

催眠術師であるサングの妻、ウンソは記憶喪失だった。 ある日、息苦しさを感じて1人でドライブに出かけたウンソは、どこか懐かしい感じがするカフェを見つける。