SPEED GRAPHER

第一話 背徳都市

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バブル戦争から十数年後の東京。元戦場カメラマンのサイガは、通信社に勤める友人・戸越から依頼された事件を追っていた。薬品の規制緩和に反対する人間が異様な死体で発見される…サイガは独自の捜査で、事件の黒幕に深く関わる地下の秘密クラブ「秘密倶楽部」に潜入。そこで行われる幻想と快楽の儀式を盗み撮るが、女神として文字通り舞い降りる少女に魅入られ、儀式に巻き込まれてしまう。

第二話 唸る札束

日本東京の経済を牛耳る天王洲グループ女帝の一人娘、神楽は、度々の悪夢にうなされて目を覚ます。冷徹な母・神泉の苛めは酷く続いており、日頃から神楽の様子がおかしいことに気付いていたクラス担任・若葉は、家庭訪問のため天王洲家へ向かう。神楽は、神泉の側近・水天宮へ、何ひとつ自由にならない自分の気持ちを打ち明けるが、秘密倶楽部支配人である水天宮は、金だけが人を幸せにするのだと語る・・・

第三話 写殺爆撮

秘密倶楽部の儀式に巻き込まれてしまったサイガ。瀕死の重傷を負いつつも、自分のカメラに手を延ばす。が、込み上げてくる謎の力。みるみるうちに傷は塞がり、撮影を続けるべくシャッターを切ったそのとき、ファインダーの中の全てが木っ端微塵に吹き飛んだ。混乱を極める会場、反撃の銃乱射の衝撃で建物外壁が崩れだす・・・。燃え上がり落下するシャンデリアから女神を助け出し、海へ出たサイガのもとへ、倶楽部支配人である水天宮が追っ手としてやってくる。

第四話 略奪少女

自宅へ連れ戻された神楽を待っていたのは、奥の間とは名ばかりの座敷牢だった。悪夢がただの夢ではなく現実であったことを知り、外の世界へ逃げ出したいと強く思う神楽は、崩壊する秘密倶楽部から自分を連れて逃げてくれたカメラマン・サイガを頼り、再会したいと願う。またサイガは自分に芽生えた得体の知れない能力に戸惑いを感じ、あのとき何が起こったのかを知るため、神楽の居場所を探していた。一方、崩壊事件で賑わう世間の裏では、原因であり、また真相を知ってしまった外部者であるサイガを抹殺するため、倶楽部の構成員たちが蠢きつつあった・・

第五話 ダイヤモンド夫人

神楽に再会するため、向こう見ずな行動に出たサイガは、ゴムユーフォリアである秘密倶楽部VIP会員・白金との戦闘に辛くも勝利し、神楽を連れ出した。電車を乗り継いで逃げるふたり、向かう先は隠れ家となるショーパブである。パブのオカマ達に絆され、ステージへ出た神楽が歌いだすそのとき、薄幸の未亡人・小金井が嫣然と微笑みながら現れる。彼女は刺客であるダイヤモンドユーフォリアだった・・全身を光り輝かせながら透けていく敵にサイガはどう戦うのか?!

第六話 さよならダイヤモンド夫人

刺客・小金井との戦闘中、サイガと神楽は通りがかったトラックを強奪して逃走。ダイヤを噛み砕きながら迫りくる小金井と倶楽部構成員達に追われ、事態はカーチェイスに転じてしまう。ついに神楽を捕らえた小金井には、水天宮を裏切り、自分の取引をするという策略があった。自分の欲望による狂気を正当化し、倶楽部での神楽の本当の姿について語る小金井に怯え、助けを求める神楽のところへ、間一髪サイガの奇策が届く。

第七話 猟奇ドリル

取引に失敗し、自らも傷ついた小金井。水天宮は彼女を「くすんだダイヤに価値はない」と言い捨て抹殺した。 一方、六本木地下炎上事件から連絡を絶ったサイガの居場所を探している警視庁特務課勤務・銀座は、関連すると思わしき全ての事件が抹消されつつあることを不思議に思い、独自の捜査を始める。 その頃サイガと神楽は、包囲網を逃れながら伊豆方面へ向かっていた。訪問先の診療所で、元軍医・両国から語られたのは、神楽の脳には腫瘍があり、あと数ヶ月の命という衝撃の事実だった。

第八話 神楽のともし灯

闇夜に紛れ、東京湾の巨大タンカー内に存在する実験施設を視察する水天宮。そこでは神楽の体液にまつわる秘密実験が繰り返されている。水天宮が目論む、ある計画を成功させるためには一刻も早く神楽を見つけ出すことが必要である・・。また倶楽部構成員・辻堂達はついにサイガ達の行方をつきとめ、彼らの逃げ場所である両国診療所に歯のユーフォリアである溝ノ口を送り込む。急襲されるサイガに打開策はあるのか?!

第九話 湯殿にて

ただの噂と思われていた「秘密倶楽部」が本当に存在することを知り、サイガの居場所を知るために水天宮事務所に突撃した銀座は、自らの非力を知り逆上。独自の捜査を続けることを固く決意する。 一方、山を丸ごと爆破して急場を凌いだサイガは、両国に神楽の血液検査を依頼し、神楽の行きたい場所だという別所温泉へ向かう。そこには神楽が隠し持っていた写真に写る、若かりし頃の母・神泉と謎の男との関係が秘められていた。

第十話 水天宮来る

サイガを追うべく意を決した銀座は、職権を乱用し、神泉と会うために天王洲グループビルに突撃する。その頃サイガと神楽は、旅館の女将から謎の男・小田原について聞き出し、記されていた廃研究所に侵入。溶接され閉じられた扉の中には、何らかの実験の残骸と思われる得体の知れない獣骨や巨大な水槽が点在していた。そこへ、サイガを殺し、神楽を奪うべく水天宮自らがやってくる。見た者は皆死んだという水天宮の力とは果たして・・?!

第十一話 ハハキトク スグカエレ

水天宮との戦闘中に燃え落ちた廃研究所。ひとり取り残された神楽のところへ、母・神泉の危篤という報せを持った銀座が乗り込んでくる。銀座と共に急ぎ自宅に戻った神楽だが、「病気」という理由のもとに、体液摂取のための研究施設に閉じ込められてしまう・・・。

第十二話 左手に抱かれて眠れ

語られる神泉の過去と真実。彼女の体はかつてひとりの医者による整形技術の粋をこめて作り上げられたものだった。水天宮と実の母・神泉が結婚すると知った神楽は、捨て身の行動で、隔離された研究施設から逃亡。水天宮が神泉に対して放つ力をその目で見てしまう・・・一方、銀座のもとにやってくる刺客、百合ヶ丘。彼のユーフォリア能力とは一体・・・?!

第十三話 銀座番外地

水天宮の左手の痣は、神泉の整形を請け負った医者・小田原の左腕と同一のものだった。水天宮は神楽と結婚して天王洲グループの全権を握るため、神楽を拘束する。そして、「写殺」能力と体の異常についての秘密に触れ、神楽を追おうとするサイガ。引き止める銀座に、刺青ユーフォリア・百合ヶ丘が迫り来る。

第十四話 人妻神楽

水天宮と神楽の結婚式のため、莫大な金額を使ってわずか一週間で建設された教会。神楽奪還のため、マスコミが集まる結婚式の現場に乗り込んだサイガを、体に通電させることを楽しむ狂気の神父が出迎える。 そんな中、研究施設で進行していた、神楽の体液の培養研究・生産が成功したという知らせが届く。

第十五話 濡れ女地獄

あてどなく逃亡を続けるサイガと神楽。神楽の体調は悪く、サイガは無闇に焦る。辻堂は水天宮の命を受け、「水」のユーフォリアである弦巻ミハルを彼らのもとに向かわせていた。山奥の滝を目前に、サイガの車が異常な霧に包まれる・・・