全身小説家

販売終了未定

主宰する<文学伝習所>の生徒が書いた小説を、舌鋒鋭く批判する。その生徒たちや親友の埴谷雄高らと自宅の応接間で酒席を催す。旅回りの芸人に扮し、<津軽海峡冬景色>に乗って舞台でストリップを披露する。文壇バーでピアノの鍵盤を叩き躍る――作家・井上光晴のそんな姿を、映画は点描してゆく。そして伝習所に通う女生徒たちは、頬を紅潮させながら、「先生」とのアバンチュールを仄めかす……。 かかりつけ医から勧められ井上はある日、東大病院外科の門を叩く。診察室でレントゲン写真を指し示しながら医師は、井上がS字結腸ガンであると告知する。それでも井上は文学伝習所の講義や講演で全国各地を回り、野間宏と「部落解放文学賞」の選考に当たる。そして幼少時を過ごしたという佐世保の元炭鉱町・崎戸を訪れるなど忙しい日々を送っている。 ふたたび井上は、東大病院で検査を受ける。ガンはさらに進行していた。1/4だけ肝臓を残し、患部を摘出する手術を提案する担当医師。井上は手術を受けることを決める。 手術当日、開口された井上の腹からガン細胞に冒された肝臓が、手際よく摘出されてゆく。 病後の経過を確認するため、井上光晴の病室を訊ねる医師。井上の腹部を縦に貫く縫合の跡が痛ましい。親友・埴谷雄高、元恋人の瀬戸内寂聴が、病床の井上の見舞いに訪れる。  生前に井上が墨書した島の地図を手に原は、井上の故郷・崎戸に向かう。炭鉱夫に給料が支払われる「受け銭」の日。色鮮やかなチョゴリで身を飾り、鉦や太鼓で踊りながら海辺を練り歩く、韓国人の娼婦たち。その一人が初恋の相手である。あるいは早くに父親を亡くし、極貧の少年時代を過ごした。井上の親戚縁者に取材し、戸籍謄本にまであたる。調査中が進むに従って、これらの井上の言葉が虚構だらけだった事が、次々に明らかになってゆく。しかしたとえば埴谷雄高は、“嘘つきみっちゃん″だからこその井上の魅力を、埴谷雄高は語る。「文学は言ってしまった者が勝ちなんですよ、適切に言えば。だって千年たったら分かんないですよ、あなた。だからよく嘘をついてくれたと、僕みたいに面白がっていればいいんですよ」 自宅療養を選んだ井上の自宅に瀬戸内寂聴が、プロポリスを販売する気功師を連れてやってくる。「全く説得力を失った、しゃべり言葉なんですね」井上は苛立ちを隠そうとしない。 1992年5月30日、井上光晴死去。享年66. 「男性と女性はセックス抜きの友人関係を築くことは、困難だと言われます。しかし、私とあなたはその稀有な関係を築くことができました……」築地本願寺で行われた井上の葬儀。その壇上で滔々と弔辞を読む瀬戸内寂聴の姿があった――。

全身小説家

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映像一覧

キャスト

井上光晴
埴谷雄高
瀬戸内寂聴
野間宏
〈イメージ篇〉出演
金久美子

スタッフ

監督・撮影
原一男
製作
小林佐智子
編集
鍋島惇
整音・現場録音
栗林豊彦
音楽
関口孝
〈イメージ篇〉デザイン
木村威夫
〈イメージ篇〉撮影
大津幸四郎

タイトル情報

ジャンル
映画邦画
作品タイプ
ドキュメンタリー
社会派・ヒューマン
製作年
製作国
日本
再生対応画質
高画質
標準画質
再生デバイス
パソコン
スマートフォン
タブレット
AndroidTV
FireTV
サービス提供
株式会社ビデオマーケット
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