オオサンショウウオの「宿」 整備から半年
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国の特別天然記念物で個体数が減少しているオオサンショウウオを一時保護する施設が東広島市に完成して半年が経った。やせた個体など3匹を保護し、回復した1匹を放流。見学可能で観光資源としての期待も大きく、保護の大切さを知ってもらう拠点にもしていきたい考えだ。  里山の風景が広がる東広島市豊栄町乃美。町内に広く生息しているオオサンショウウオを守ろうと3月に出来たのが「オオサンショウウオの宿」だ。  「かわいい手足でちょこちょこ移動したり、おなかすいたら『エサくれー』って上がってきたり。ちいちゃい目もかわいいんよ」  水槽の中で動き回るオオサンショウウオを見つめるのは市乃美地域センター長の為平(ためひら)邦彦さん(73)。完成前からエサやりや水温チェックなどを続けてきた。  施設は廃校となった旧乃美小のプールを活用して市が整備した。調査や保護活動に取り組む広島大総合博物館の清水則雄准教授(44)が監修し、為平さんら地元住民が中心となって管理運営している。  同時に保護できる成体は4匹。他地域で増加している日本産と中国産の交雑種が発見された場合には、プールに隔離して交配が進むのを防ぐほか、幼生の育成も手がけたい考えだ。  これまでに3匹を保護し、回復した1匹を8月に放流。残る2匹のうちの1匹は、やせた状態で4月に保護されたが、今では2センチ成長して体重も1キロ増加。もう1匹は安芸太田町の田んぼで7月に見つかったもので、豪雨などで流された可能性があるという。  オオサンショウウオは西日本の山間部に生息している。しかし河川の護岸が次々とコンクリート化して巣穴や隠れ家が減っているうえ、河川が直線的な構造となり、大雨で下流に流されることも増えた。結果、高い堰(せき)に阻まれて繁殖地である上流まで遡上(そじょう)できず、個体減少につながっている。  清水さんは「近年増加している豪雨によって豊栄のオオサンショウウオは消滅の最前線にいる。保護には地域の理解が欠かせず、守ると同時に観光利用することで地域を元気にするモデルを作りたい」と話す。  施設は見学可能で、プールの壁には生態などを解説するパネルが並び、生息環境に配慮した護岸工法も展示。ゆくゆくは野外での観察会や訪日外国人向けツアーなども進めたいという。  見学の予約や相談は市乃美地域センター(082・432・2024)へ。

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朝日新聞デジタル
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